人気ブログランキング | 話題のタグを見る

星を継ぐもの

星を継ぐもの_f0005774_1464773.jpg

「星を継ぐもの」(ジェイムズ・P・ホーガン、池央耿訳、創元推理文庫)

 月で発見された5万年前の死体から、月のなぞ、人類史のなぞが、明らかになっていく物語。文庫本初版は1980年、本自体は70年代の作品らしい。
 SF映画を見た気分。おもしろかった。古本100円で映画かビデオを見た気分になれるとは安上がりだ。3日かかったけど。

 SF作家というのは自分の詳しいことは、どうでもいいようなことまでとことん詳細に書くようだ。理屈が脳の中をかけめぐって、現実を超えた現実感とでもいうような結論にいたる。
 アーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」を読んだ時もそう感じた。月までの旅行はすごく現実的で生々しい描写なのに、木星に向かい始めてから、すごく文字量が落ちて、最後の本質的なことがらになると、ほとんど単純な文章で済まされる。

 本を読む趣味のある人は、この文字の量による快感というのもあるのだろう。ギターなら、ギターオタクにはたまらないくらい描写が細かいとか。私にはない。だからほとんどの小説といわれるものに興味が湧かない。

 つまりまあ、自分の興味あることがらしか私には読めないわけで、非常に視野が狭い、と。それは自分自身のことで、自分にしか興味が持てない、と。それはまあ、寂しいような、しかし、自分以外のことを小説で書いてあることを信じるというのもどうかという気もするが、そう思うと歴史に残る文学作品というのはやはり、すごいというか、ヘッセ、トルストイ、森有正、森鴎外、夏目漱石など、言葉がキシキシとくいこむというか、外国ものは翻訳だが、言葉に無駄がないなあ。

by teccyan1 | 2006-03-16 20:36 | | Comments(0)

自分のこと、音楽のこと、本のこと。

by teccyan1
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31