2013年 07月 03日
あやしい「瞑想」とやさしいトレーニング
「心がフッと軽くなる ブッダの瞑想」
アルボムッレ・スマナサーラ
だいわ文庫
アルボムさんの本は説明の中に同じような文章がよくある。というか現代の問題について、いろいろな角度からみても、原因が同じことだから似たような説明になるのだろう。今のところ、「貪(とん)」「瞋(じん)」「痴(ち)」で説明される本が多い。三つはそれぞれ欲、怒り、無知、ということにあてはまる。
無知はむずかしい。脳科学的説明のようにもみえる。でもここが一番面白い。禅の文章で「山を見て山を見ず」とか「花であって花にあらず」みたいな文章も納得?できる。で、まあ欲も怒りも無知が引き起こすので、これを冷静に見つめて、おかしなことになる前に平静を保ちましょう、という話。それを瞑想によって、自分の身につけようとするわけだ。その瞑想の仕方が書いてある。
あまり書くと怪しげな文章になるので書かない。本を読んでもらったほうが安全。興味をひくのは、自分の心を実況中継するという文章。瞑想というと座禅して、なにやら怪しげな境地に入ることを想像するが、一切関係ない。まずは普通の集中、それから感覚を概念に結び付けない、という、ああ、あやしい、う~ん、あやしい、そういう状態に自分をおく。単純に言うと決め付けない、感情に走らない、ということか。
簡単なことから始めてみることをすすめている。集中はいろいろな形で多くの人がしている。祈りも似たようなものだろう。あやしいことは、こうする。歯磨きの時、歯ブラシを手に取る、「手に取る、手に取る」と実況中継する、「磨く磨く」と中継する、この程度。実際やってみると、落ちつくから不思議。この落ち着いた状態が、周囲にまで影響を与えて、生活が変化する、というところまで話が進む。・・・あやしい、でもおもしろい。
病は気からというのも、いろいろと納得できる。まあすべて「ブッダがそう言った」から始まるので、信じるか信じないかは、あなた次第です。ということ。
こちらもよろしく。
てっちゃんのホームページ
by teccyan1
| 2013-07-03 13:57
| 本
|
Comments(0)