俳句

 草深野虫の音にさそわれていく

 朝夕、きれいな虫の音が聞こえる。どうもすずむしのように思える。だが、団地にそんなものがいるだろうか、思い違いではないかと思っていた。ある夕方、虫の音をたよりに歩いていくと、ある家の車庫で大合唱している。
 車から出てきた男性に聞くと、やはりすずむしであるという。出先で買ってきたのだそうだ。しかし、虫は嫌いと一蹴され車庫へ追い出されたらしい。家人の情緒のなさをなげいていた。

 朝の布団の中で、少しずつ意識が冴えていく時、夕方、なんとはなしに夕方の暮れていく様子にひたっている時、あの音を聞いていると、アスファルトもコンクリートもない草原にささやかな風が通り過ぎていく夜の静けさが思い起こされる。

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by teccyan1 | 2006-08-31 21:28 | てっちゃんの俳句 | Comments(0)

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