2006年 11月 16日
エドウィン・フィッシャー
ギターを弾き始めて、クラシック音楽を聞き始めて、そのすばらしさを知り始めた頃、この本を読んで、自分が感動したことが明瞭に書かれているとさらに感動した。内容のほとんどはプロの若いピアニストに向けて書かれたものだが、音楽のすばらしさに感動した人なら楽器を演奏しなくても共感できる。
このフィッシャーのCDを見つけた。中古で609円。「The Piano Masters」というシリーズもののひとつで、セルゲイ・ラフマニノフとの2枚組になっている。
曲目はモーツァルトのピアノソナタ第10番(k330)とブラームスのピアノ協奏曲第2番。演奏は文章の深みに違うことなくすばらしい。昔の演奏家だから古い時代的趣味みたいな匂いがするかと思ったがそんなことは微塵もない。もっともそう言いきれるほど私はクラシックの音楽を知りはしないのだが、だが今聞いても十分すばらしい。巨匠のすごみを感じる。オーケストラもすばらしい、と思ってみると、フルトベングラー、ベルリンフィルハーモニカーとある。
録音は悪い。協奏曲なんか完全に音が歪んでる。が、演奏のすばらしさはひしひしと伝わってくる。ついでにブラームスってこんなにすっきりとした透明感のある美しさであったろうかと、再認識した。
演奏は時代とともにそのスタイルを持ち変化するが、すばらしい演奏というものは、時代のスタイルにかかわらず、その演奏家の真実の音であることを知る。時代のスタイルを模して最新音楽を演奏していると勘違いしてはならない。そこには何もないのだ。自分の真実が形になる時、それが古かろうと新しかろうと、いびつであろうと完璧であろうと関係ないのだ。
ラフマニノフは作曲者自身の演奏ということになろうか、ピアノ協奏曲第2番とエドワード・グリーグ(Edvard Grieg)のソナタ第3番op.18。後者は初めて聞く。
テレビの日曜洋画劇場で昔、このピアノ協奏曲が流れていて、なんてドラマティックな曲だろうと、聞くのを楽しみにしていた。
by teccyan1
| 2006-11-16 21:15
| クラシック音楽
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