2007年 05月 14日
古本の値段
欲しかった本が、あなたを待ってましたとばかりにひっそりと隅の方にあったりすると、たいへん嬉しい。本の状態も良く、捨て値になっていたりするとまた嬉しい。前記の本は、あの店にあったはずという勘がはたらいて手に入れることができた。これも嬉しい。
「折れたく柴の記」(岩波文庫/新井白石/松村明校正)、「古いものと新しいもの」(日本基督教団出版局/森有正)、「言葉の海へ」(新潮社/高田宏)、「ときどき旅人」(講談社/高田宏)、「ウは宇宙船のウ」(創元推理文庫/レイ・ブラッドベリ/大西尹明訳)を買う。
どれも安く手に入れた。「ウは宇宙船のウ」など定価430円のところ220円。店によってはもっとぼろぼろで1000円という値をつけているところもある。「古いものと新しいもの」は500円。森有正の著書も全集の内の1冊だけなのに定価の倍の値がついていたりする。
古い本なのに定価より高いのは古本の醍醐味であろうが、売る方はそうだとしても買う側は逆である。先日、店をしまうと報道された古本屋へ行ってみたが、りっぱな本と高価な値段に、本の価値を教えてやろうと言わんばかりに上から押し付けてくるような空気を感じて、閉店に追いこまれた理由がわかった気がする。
古本屋だって商売である。高い値がついた価値がわかる買い手がいる場所で売らなければ商売にはならない。文学青年相手に兄きづらしても仕方があるまい。
稀少価値がある本は、やはりその価値を知っている古本屋で手に入る確率が一番高い。しかし、私は自分が欲しい本を、その価値とまったく違う本を主流にしている古本屋で安く手に入れることに喜びを感じてる。
ちょっと時間をつぶしたいなと思ったら、いそいそと古本屋へ出かけるのである。
by teccyan1
| 2007-05-14 10:06
| 本
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