2007年 09月 22日
千秋楽と水上の音楽
雅楽の演奏を初めてまともに聴いた。あの、ほわ〜ん、どん、である。すばらしかった。夜がだんだんと更けていくのにつれて、気持ちが俗から離れていく。
どの楽器も美しい。西洋楽器にくらべると響きがはやめに失われるが、その静寂に気持ちが深まる。解説によると天上の音、地の音、天と地をつなぐ音だという。これらの響きは最初から天に捧げられる音楽にちがいない。バッハのようだ。
同じような曲がくり返されるが飽きない。「千秋楽」という曲が演奏された。今日ほど「千秋楽」という言葉に深く広い世界を感じたことはない。最後の、女性による「舞い」と全員による「歌」。身ぶりの少なさが、緊張感を高め、腕のひとふりが目を覚まさせる。巫女が着るあの白い衣装のそでが美しい。
彼らはプロの演技者ではないかもしれないが、私には十分なものを聴かせて、見せてもらった夜だった。(ホームページに写真/左下メモ帳より)
8日、周南市美術博物館で東京交響楽団らのメンバーの、弦楽四人とホルン四人によるクラシックサロンコンサートを聴いている。
ヴィヴァルディの「四季」から春、モーツァルトの「ディヴェルティメントK.136」から第1楽章などおなじみの曲を気軽に楽しく聴かせてもらった。演奏者も聴衆も気楽な雰囲気でたいへん良かった。「皇帝円舞曲」弦楽四重奏版にはただのワルツではない、すばらしさを教えてもらった。
最後のホルンとのアンサンブルによるヘンデルの「水上の音楽」を聴いて、あらためて格調高い音楽なんだと思った。四重奏とホルン四つでも、プロはちゃんと音楽にするのだと感心し、満足の1時間を過ごした。
千秋楽と水上の音楽と、生の演奏に触れることで、洋の東西をとわず、歴史がもつ重みというものに触れる良い機会だった。
十五夜にさそわれるまま龍の笛
by teccyan1
| 2007-09-22 21:37
| てっちゃんの俳句
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