2008年 09月 11日
フラメンコを見て聞いて
昔はこういう一流どころの人はどんなことを考えているのだろうかと興味があって、質問してみたかったが、今はそういうことはなくなった。自分がどう感じるのかと、それが言葉に置き換えられるかということに意識は向く。それはもうこちら側の問題で、あちら側にないわけだからどうにもならない。
彼の踊りを見るといつも映画を連想する。ある一場面。物語の終わりなのか始まりなのかわからないが、長い時間を内包する一瞬。言葉を選ぶように手が動き、足が動き、そして体が躍動する時、劇的に何かが変わる。物語の語りかつぶやきか、感覚の再現、演劇のようでもある。何も語らないのにその場に現れているような、何かをこちらの胸にのこしていく。
姿が美しい踊りもあろう、動きが官能的な踊りもあろう、だがこういう、ただ座っているだけで、踊りのモードにスイッチが入っただけで、空気感が変わるという代物はなかなか体験できない。
by teccyan1
| 2008-09-11 00:49
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