高井研一郎さんの寅さん

そうそう、漫画家の高井研一郎さんが亡くなった。好きな漫画家だったので残念。有名な「総務部総務課山口六平太」は突然終わってしまったんだなと思った。レンタルで最終巻を借りる。最終話はなんと、六平太が「いつ死ぬかわからないから」と髭を生やしてみて周囲を騒がせるという内容。なんという結末、何かの暗示だろうか。それとも本人の実感であったろうか。

主人公が山口市の出身という設定で親近感があった。過去に「カックラ陣太」なんていうサラリーマン漫画もあった。ほのぼのと面白かった。でも一番好きなのは「男はつらいよ」。山口六平太の林律雄とのコンビで9巻まである。映画を見ているような臨場感があって、何度読んでも飽きない。もうひとつ、これも林律雄と共作の自伝的マンガ「上海ワンダーランド」。高井さんの両親がうらやましいかぎりの夫婦で、あんなふうになれるなら、幸せだろうなあと思う。
自伝的と言えば、高井さんが描いた落語家桂三枝の半生の「桂三枝の上方落語へいらっしゃ~い」(yoshimotobooks)がある。桂三枝が落語家になって現代にいたるまでの物語。男はつらいよでもそうだったが、本人とキャラクターの絵柄が似ていないのに、なぜか違和感がない。最後に創作落語「鯛」が漫画で描かれている。

現代のマンガの髪の毛と顎がとがった平面的な顔のキャラクターは好みでない。時代とともに変わり、自分の読むマンガもなくなるんだろうなあ。


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by teccyan1 | 2017-04-30 22:59 | まんが | Comments(0)

おたくというものは

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自分は十分オタク気質があると思っているけれど、ブッダの言う、ひとは喜びにとらわれる、という言葉を思い出して、趣味も過ぎると執着になって、欲にとらわれる、ということが実感できる。

中古のCDを集めているという程度で、ささやかなものではあるけれど、これはお宝と思ってしまうとくだらないものにお金を使ってしまう恐れが十分ある。欲にとらわれてしまうんですな。

好きで読んでいる漫画「ギャラリーファイク」と「BARレモンハート」。主人公たちは目のきく、鼻のきく通であり、専門家であり、素人を導いてくれる者であり、楽しませてくれる人たちであるけれど、かれらは美や酒にとらわれ、欲につき動かされ、しがみついて手放せない。

ギャリーフェイクのこの本の中に、久々に訪れた古巣のメトロポリタン美術館で、主人公が夜間の展示室を独り占めして鑑賞する場面、至福のとき、と感じている表情は、少し気持ち悪い。

レモンハートのこの巻で、酒はきりっとしたのが好き、という表現をみて、酒好きの中にはアルコール度数が高いほどうまいという人もいるのではないかと思った。昔、女の子がどこそこのあんみつが美味しい、というのが、実は甘さが強い、というだけのことがあって、それを思い出して、アルコールが好き、ということを酒が好き、にすり替わっているのではないかと思った。

人間は多かれ少なかれ、そんなもんだろうけれど、そういう人たちにあこがれている自分に気づく時、どきっとする。人のために、仕事になればいいけれど、趣味楽しみは余った金でやるべき、当たり前のことをちょっと忘れてしまう時がある。



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by teccyan1 | 2014-09-08 10:02 | まんが | Comments(0)

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「畏悦録」(水木しげる、角川文庫) 「水木しげるの奇妙な劇画集」(水木しげる、ちくま文庫)

どちらも作者らしい不思議怪奇話と文明風刺、またユーモアとペーソスで、いろいろと楽しませてくれる。

「畏悦録(いえつろく)」はいつものほのぼのとした印象がうすくて、物語に救いがない。最後まで死、異界にとりつかれた狂気らしいものの恐ろしさをつらぬく。なかには絵がつげ義春風な印象もあっておもしろい。水木しげるの漫画のもとにある恐ろしさと言うものの片鱗をみる。

「~奇妙な」は救いがあって、よかったよかったという終わり方をするので読んだ後も安堵感がある。こちらには”京極夏彦が選ぶ”という文句がついている。




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by teccyan1 | 2013-11-24 10:10 | まんが | Comments(0)

物語のうらにある環境

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「マンガ 平家物語」(横山光輝、中央公論社)

横山光輝の歴史マンガは、いやみがない。「三国志」「元禄御畳奉行の日記」も過激にすぎず、また飽きずに読める。

戦話だからおもしろく聞かせようとするところもあるだろう。戦ごとに人間の情がうごくというしかけになっている。本当の歴史はそんなものではないはず。最近は、今まで信じてきた歴史あるいは話は、そう語られた背後にあるものはなにか、ということを思うようになる。

平家物語は権力闘争の話だ。だがこれほど大きな闘争はやはり戦争といっていいほどの変革だから、この背後にあるものは、平氏がおごったため、というような感情でなく、大きな環境の変化があったのだろうと思う。

司馬遼太郎が、鎌倉以前は違う国のようだ、と言ったことや、村山節の文明1600年周期説から察するに、時代の変革期であったはず。自然災害、飢饉、政治の無能、こういう出来事に解決策を見出せず、必然として滅びた、と思える。

平清盛が宋の国との貿易を考えて福原、今の神戸に港をつくったという話は、新しい光を発見するたびに闇に閉ざされてしまうという日本の歴史の象徴的な出来事のように見える。
マンガでは平清盛に「馬鹿な貴族どもは所領の年貢だけしか考えぬ。だが国を豊かにするには交易が大切だ」と言わせている。このあと鎌倉幕府は「一所懸命」の名の下、土地に釘付けにしたのをみても、また元寇によって国が脅かされるのをみても、時代は皮肉なものだと思う。

戦国時代の信長の失脚、江戸時代の田沼意次の失脚、幕末の島津斉彬の死去など、力強く羽ばたこうとするとつぶされてしまうという日本の保守性を感じる。

現在もすでに新しい時代に入っていると感じる。そして歴史は繰り返すように、新しい試みは保守によって悪というレッテルを貼られてしまうように思える。日本という国は資源なく食料なく、交易なくして栄えられない国だと思う。つまり、世の中に戦争があっては困る国だ。貿易を守り、農業を守り、国民を守る、解決策を見出せなければ、後の人々から暗黒の季節とよばれる時代を迎えることになる。



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by teccyan1 | 2013-07-21 20:13 | まんが | Comments(0)

これもひとつの歴史

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「上海ワンダーランド」
林律雄脚色、高井研一郎作画
小学館

手塚治虫の「紙の砦」、みなもと太郎の「挑戦者たち」を読んで、漫画家たちの自伝的作品で歴史の一こまを感じる楽しみを知って、今回、高井研一郎のものを手に入れる。

上海で子供のころを過ごして戦況が悪くなるなか日本に帰ってくる。上海ではテロによって近所の優しいおねえさんが死に、日本に、佐世保に帰ってから、父に召集令状が届く、小学校で上海がえりの金持ち風が嫌われる、またも近所の優しくしてくれたおねえさんが原爆で死ぬ。戦争が終わって父が帰ってくる。子供が感じたであろううっすらと暗く、うっすらと明るい、世相をひとつの歴史として読む。

印象に残っているエピソードは、上海から陸路、朝鮮半島のプサンまで行くとき、別れにお守り代わりにピストルをとくれるのを、高井氏の父は使えないとことわり、代わりにチョコレート三枚をもらう。それがプサンで船に乗るとき、金も腕時計もワイロとして受け取らない役人がチョコレートで乗せてくれるという話。ピストルよりチョコレートが救ってくれたという何かこの家族の人がらと運命を語っているようだ。

他にもささやかに作者の若かりし時の自伝的エピソードや山口六平太の番外編3編と楽しめる。



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by teccyan1 | 2013-06-27 22:07 | まんが | Comments(0)

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「ハムレット みなもと太郎の世界名作劇場」
みなもと太郎
マガジンファイブ

これもバーゲンブック。2000円のところ1170円。安い、のか。とにかく読みたかった。これは期待どおりというか、知っていたので欲しかった。以前、「レ・ミゼラブル」を読んで、楽しんでいたのと、意外とあの大作品をダイジェストで知ることができるので便利。みなもと太郎のマンガを読むと、原作が読みたくなるから不思議。

こちらはおなじみの名作が5本。「ハムレット」「シラノ・ド・ベルジュラック」「王子と乞食」「モンテ・クリスト伯」「ドン・キホーテ」

それぞれギャグを凝らしてのお笑いだし、みなもと太郎はいつも終わりを笑顔で終われるようにしてくれている。中でも「ドン・キホーテ」は最高。正確には「スター・ウォーズ・ドン・キホーテ」で、主人公は20世紀のオタク少年が21世紀に宇宙にあこがれて、旅するおろかな老人として登場する。さて、スター・ウォーズのパロディー風に描かれながら、レイア姫ならぬドルシネア姫をまもってアッカンベーダと戦う呑木放手老人はいかなる最後を迎えるか。まあ、笑えるし、ちょっと感動する。

これを描いたきっかけとなった話が紹介してるが、これもおもしろい。ドン・キホーテは冗談新撰組や仁義なき忠臣蔵と同じくみなもと太郎の創作でありパクリである。




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by teccyan1 | 2013-06-22 09:17 | まんが | Comments(0)

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「みなもと太郎の任侠・男の劇場 極悪伝」
みなもと太郎
マガジン・ファイブ

みなもと太郎の「風雲児たち」や「挑戦者たち」というマンガでヤクザの世界の歴史みたいなものを読んでいたので、ちょっと期待していたが、ただのギャグマンガだった。彼のギャグは好きなのでもちろん楽しませてもらっているのだが、SMネタ、ホモネタ、下ネタが多くてというかほとんどそればっかりなので、こういうマンガも描いていたんだなと今さらながら思う。「ホモホモセブン」というマンガを読んだときは衝撃的に笑ったのものだ。

アマゾンでバーゲンセールで1490円のところを520円で買ったのだが、印刷ミスがある上に、本の底?に「B」のハンコが押してあるし、バーゲンブックというシールがわざわざ張ってあるところをみると、そのテの品物なのかもしれない。

表紙の男二人が組長と組員で、しかも人里離れた田舎に事務所をかまえるという設定。みなもと太郎は残酷なシーンは描かない。まったくヤクザらしくない二人が、セリフだけ恐ろしくて、やることなすこと、色情狂という、まああまり人に紹介するほどでもないアホな漫画。

せっかく買ったのだから、悪臭漂うギャグを読みながら、汗臭く笑おう。



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by teccyan1 | 2013-06-21 17:54 | まんが | Comments(0)

再び古本で

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「BAR レモン・ハート 28」
ファミリー企画、古谷三敏
双葉社

最新刊、古本屋で手に入れる。350円。発行が5月28日とあるのにもう古本屋に並んでいる。読み方を決めている人がいるわけだ。安く読む、という方法も古本屋で買うというものもあれば、新刊を買って古本屋に売る、というのもある。私は所有していつも読めるというのが好きだから古本を買う。

前の27巻は待ちきれずに新刊を買った。しばらくすると、やはり古本に並び始めたので、もう少し我慢すればよかったと思ってたので待っていたら、今回は意外と早く古本に出た。

強い酒は飲まないと決めたから、まあ飲めないのだが、無理して飲むとどうやら私の体はこわれるらしいので、物語を読んで、酒の美味しさを思いながら読む。マンガが長く続いているということは、酒にまつわる話は多いということだろう。

印象に残る話もあれば、思い出してこれもいい話だなあというのもある。すぐに思い出すのは絶滅したと思われていた花の香りを、作った酒の中からかいで、ついに花の群生を発見したという、伝説のブレンダーの話。これはすごい、と思うと共に、こういう産業は自然界の環境が大切だから、環境を守り、品質を守り、生活を守るという産業の重要性を感じる。



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by teccyan1 | 2013-06-17 18:06 | まんが | Comments(0)

永島慎二という漫画家

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「旅人くん 第1集」
永島慎二
メルヘンコミックス 大都社

中学生のころ、永島慎二という漫画家のマンガを読んだことがある。短編集。そうそう、「まんが公園」というタイトルだった。若者が二人、ヒッピー文化にふれるためアメリカに行く話や、禁じられた遊びの墓を作る話や、どろぼうが入ると、病人と行李の童話原稿しかない。その童話は一遍の詩であった、名作であったという話とか。他にひとコママンガ多数。

なんということなく読み、手放したマンガであったが、珍しいマンガであったなあと今、しみじみ思う。あのころからエッセイのようなマンガを描く人がいたんだなあと。彼は「花いちもんめ」とか「柔道一直線」とか有名なマンガも描いていたときく。彼にはマンガは童話のようなものだったのか。

古本屋で久々に永島慎二のマンガをみつけて買った。ちょっと、スヌーピーのマンガのようなテンポで、彼らしい童話のようなエッセイのような、皮肉のような、詩のような、マンガである。




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by teccyan1 | 2013-06-08 18:47 | まんが | Comments(0)

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「風雲児たち 幕末編22」(みなもと太郎、リイド社)

前巻21すべてで桜田門外の変から、その後日談、勝海舟の太平洋横断へ物語りは進む。風雲児たちも終わりに近くなったせいか、以前のように人物についてくわしい話をゆっくり語ることはなくなっているようなので、少し残念な気がする。みなもと太郎さんも高齢で、以前のような仕事はできないのだろう。

とにかく終わりは近づいている。作品の価値を落とすことなく、うまいところで落とすのはたいへんだろう。新撰組が登場してくると、細かいエピソードも多いだろうし、歴史の流れを描くには、すべては描ききれないだろうし、長州や薩摩はどう描かれるのか、坂本竜馬はどう描かれるのか、どうなるかみものだ。




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by teccyan1 | 2013-06-02 19:23 | まんが | Comments(0)

自分のこと、音楽のこと、本のこと。
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