カテゴリ:ギターを弾いて( 46 )

ギターの会

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「新米の会」をやろう。ギターの初心者の新米と米の新米の収穫時期をかけ、そんなことから開かれる予定であった会は、主催の苫原先生が急に亡くなり偲ぶ会となった。

いつものことながら、参加者の演奏はみな達者である。ギターの響きも美しい。ギターが好きなことが強く伝わってくる。またプロギタリストの中野さんの演奏は、クラシック音楽とギターにまっすぐ向かっている姿勢が感じられ、演奏が音楽が清々しい。

食べ物がいつもおいしい。どの皿にもはしをもっていき、舌鼓をうつ。ほんとうに舌が喜んでいる。今年は酒の「野武士」に出会った。からすぎず、あますぎず、ほどよい旨みが馴染みやすい。油断すると何杯でもいけそうなのであぶない。

会は楽しかった。先生が笑っていた姿が、つかの間、思い出される。その人柄が暖かいものだったとしみじみと思う。今後はどんな形であろうと、あるいは形がなくなろうと、先生の縁で集まったひとたちがまた、「やあ、こんにちは」と出会えればいい。また先生の音楽をこころに感じ止めた人たちがギターを、ギターの音楽を愛し続ければそれでいい。

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こちらもよろしく。
てっちゃんのホームページ

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by teccyan1 | 2011-10-17 13:17 | ギターを弾いて | Comments(0)

追悼 苫原孝弘様

18日葬儀に参加しました。
お顔を拝見しました。わずかに笑みを浮かべたようで、安らかできれいなお顔でした。今にもしゃべりだしそうで、声をかけたくなるほどです。そして返事が返ってきそうです。もう廿日市に泊まりに行くことはないんだと思うと悲しみがこみ上げてきます。それだけ廿日市へ行くこと、苫原先生に会いに行くことがわたしにとって大切であったこと、うれしくて楽しい時間であったことだとわかります。
まだ他にも大切で楽しいことを、わたしは気にもせず、無頓着に生きているようで自己嫌悪を感じます。喪失感、これは体に良くないようです。何もかもなくしてはいけないのではないかという考えが浮かんできます。そしてやるべきことがあるのではないかという感覚が生まれます。
50歳代でやっておくべきこと、両親との過ごし方、やがてくる死のこと、仕事のこと、悩むことも考えることもあるけれど、苫原さんの「てっちゃん、やったらええじゃ」と広島弁ではげます声が聞こえてきそうです。

苫原孝弘先生のご冥福をお祈りいたします。

「てっちゃんのホームページ」へ加筆して整理した文章を掲載しました。
(2010.10.21)

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by teccyan1 | 2010-10-18 18:28 | ギターを弾いて | Comments(2)

会場の丸太小屋の前には農家が数軒ならんでいる。道に沿った用水路は透明な水を満々とたたえ、水際で夏らしい白い花が流れに触れてゆれている。
流れは急ぎの用があるかの様に、見ているわたしに関係なくさっさと過ぎていく。赤いものが流れてくる。つつじのピンク色の花びらが数枚。きれいだなと思うこちらのことはおかまいなしに行ってしまう。それでも、わたしはたいへん心地よい。

今年は夏になっても朝夕は冷たさが残りたいへん過ごしやすい。会場で聴くギターの軽くて透明な響きと音楽がすがすがしい。いつもの顔も、今年初めて会った人も、初めて話した人もいて楽しく過ごした。

それぞれの人生ではわたしたちは互いに通りすがりのようなものであるだろうが、この日のそれは水路を流れる水の風景のようにたいへん心地よかった。

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by teccyan1 | 2010-05-31 12:29 | ギターを弾いて | Comments(0)

ギターでソルを練習

ソル作曲「モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲」を練習してみる。右手人差し指がいかれているのでまともなことはできない。

主題と第1変奏を弾く。美しいメロディだからこれを弾いているだけで曲を弾いている気分になれる。付点音符の軽やかさに注意する。右指は弾弦する前にしっかり弦に触れるように意識する。弦を、小さな弓を飛ばすように、指先で軽く弾き飛ばすように意識する。旋律を彩る3度下のスラーは左指の力が抜けるように意識する。指が短いのと独立性が足りないのとで苦労する。

昔は、このスラーを使用するというのが、統一感やメロディの不完全みたいな意識があって困っていたが、今は、こういうところの美意識より、旋律がかもし出す気品とか寂しさみたいな感覚を大事にしたいと思っている。ベースのリズムがタイミングよく鳴るように、構成をはっきりさせるように気をつける。ささやかな弦楽四重奏のように響けばいちばん良いのだが、まあそれはかなわぬ夢か。

第1変奏は力が入るのと抜けるのがうまくいがないで指が動かなくなるのを注意する。スラーの連続なので、主題のスラーと同じことを気をつけながら、次のスラーの準備を、瞬時に何度も繰り返し正確に実行しなければならない。

指の技術の見せ場ではあるけれど、それもすばらしいが、そちらよりもスラーの連続が生み出す光のような明るさと軽やかさを大事にしなければならない。コロコロと音が転がるように聞こえれば、まあそれはかなわぬ夢か。

和音、旋律と部分的な技術は、同じ作曲者の練習曲を思い出させる。小さな曲を丹念に練習して身につけておくと、こういう曲を弾くとき役に立つ。というか、そのための練習曲だろうと自分につっこんでみる。音階やその他、人差し指の代わりに親指を使う。おかしなアクセントがつくが、なるべく自然になるように心がける。

18世紀のひとたちはどのように、このギターによる音楽を聴いていたか、当時はどんな風に音楽が楽しまれていたか、何を聴いていたか、ピアノやオーケストラや、弦楽四重奏のどんなところを音楽として聴いていたのか、想像してみる。人に聞かせるようなテンポでは弾けない。それなりに音楽に没頭して楽しむ。


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by teccyan1 | 2009-11-06 23:17 | ギターを弾いて | Comments(0)

グレードA

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「ギター名曲170選 GRADE A」ドレミ楽譜出版編集部。

ぼそぼそと動かない指をごまかしながらギターの練習をしている。
とにかく力を抜いて、動かない指はゆっくり動かす。ラグリマ、アデリータ、コストの舟歌、エチュード、ヘンツェのノクターン、ソルのエチュードとギターを習ったことのある人なら誰でも知っている初級の曲を練習する。

以前のようにまったく弾けなかったときに比べると、少しでも弾けるようになってきたので、最近、気をよくして「ギター名曲170選 グレードA」(ドレミ出版)を買ってきた。

グレードAはわりと指の動きにとっては難易度の低い曲が多く、昔は面白くない曲ばっかりだなと思っていたが、もちろんモーツァルトやベートーヴェンの名曲とは比べようもないし、ギター用でももっと良い編曲もあろうが、今の自分が弾くには、それでも十分音楽を楽しませてくれる。

学生のころはグレードAなんてと思っていたが、なかなか音楽とはそう簡単でもない。今は十分楽しんでグレードAを享受している。

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by teccyan1 | 2009-10-07 13:25 | ギターを弾いて | Comments(4)

弾き方

この歳になって、まあそこそこギターを弾いてきた経験もあっていまさらなんだが、これまでのギターの弾き方は間違っていたのだろうか。
腱鞘炎で人差し指がもどらないので苦労しているのだが、すこおし手首から上を左側にかたむけて弾いてみると、人差し指を戻す距離が短くなるのでちょっと楽になる。今までより極端に指の腹の左側、もう感覚的には横というくらいのところで弦に触れている。でもこれって、ひょっとしたら、正しい位置か、と思い直してみる。指が治ったわけではないが、負担が少ないようでよろしい。

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by teccyan1 | 2009-08-21 18:59 | ギターを弾いて | Comments(0)

ただひとつづつ弾いて

動かない指をだましだまし練習している。指に力が入るととたんに硬直してしまうので演奏にはほとんど、ああしようとか、こうしようなどということは考えない。とにかく指が動くように弾く。

シッダールタを読み返している。「川のほとりで」の章で、人並み異常に優れたシッダールタが知者、賢者であるほど、その司祭根性の中に自我が忍び込んだ、とある。
それで自我を滅することができない。

良い演奏をしようとするとき、そこに司祭根性が現れはしないか。今はただ動くように弾きそれをよしとしなければならない。音量は求められないが、音はすっきりと響いているように思える。自分に都合よく考えているだけかもしれない。

ひとつの音を意識して弾くだけに集中する。ただコントロールが正確でないのでとんでもない音の羅列になることもある。それでも演奏にはいやみがないようになったのではないか。

指の故障が良い方へむかってくれることを期待する。

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by teccyan1 | 2009-07-09 16:38 | ギターを弾いて | Comments(2)

少しづつギター

キーボードをたたいていると、腱鞘炎になっている人差し指の調子がよくわかる。
最近、ちょっと具合が良くなってきたと思ったので、ギターを弾いてみる。ゆっくりと弾くと、指がつらなくなっている。だが長時間すると、またへたってくる。

ギターを弾いていると、非常に気分がいい。指1本、1本を力が抜けてから弾く。うまく抜けると音も気持ちがいい。若いころは、自分のしていることすべてに価値がある、意味があると思っていた。今思えばどうしてそう思えるのかと笑ってしまうほどそう信じていた。だからギターの音もうまくいったときは、何の間違いもなく他人もそれを感じるものだと信じていた。

今はそれは自分の中だけで完成していることを知る。他人が何かを感じるためには、何かが創造されていなければならない。もちろん、曲が演奏できるというレベルはわかりやすいが、そこに何ができあがっているかというと、たいてい何もない。

前と同じ弾き方をしていると、また指を壊すので、力が残らないよう、鏡を見ながらフォームに気をつけて弾く。力が抜けていると、フォームもいい。フォームの良さがいい音につながることがわかる。音は体であることが実感できる。こういうことが感じるられることが自分の中に何かを蓄えられていくということを知る。

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by teccyan1 | 2009-05-19 21:27 | ギターを弾いて | Comments(2)

各駅停車

 広島へ、クラシックギターの発表会を聞きに行く。
 アマチュアの演奏は、本格的な音楽を聴かせることはなくても、何が大切かは教えてくれる。真摯な態度、ゆっくり弾くこと、響いていること、精神的な緊張感がとぎれないこと、音楽の構造がわかりやすいこと、うたごころがあること。
 顔なじみの奏者には、その進歩を感じると嬉しい。また、若い新しい才能を聞かせてもらうことも楽しい。それは音楽ではないが、聴くことの喜びではある。

 朝、知的障害を持つ子供達といっしょになった。小学生高学年か、中学生くらいにみえるが、発する言葉や声は3、4歳のようだ。だが、わたしの生活を脅かさないというてんでは、政治家より害がない。
 夕方、英語教師をしているという外人さんと乗り合わせる。こちらにはまだ2、3ヶ月のようで、日曜の今日は岩国や広島の町を散策したとのこと。私が本を読んでいたついでに、好きな作家をたずねたらカールだという。ドイツ人らしいが、よく知らない。カフカという名前でちょっと盛り上がった。
 お互い内容の3分の1も伝わったろうか。それでも楽しいひとときだった。ただ、流れていく風景を見ているよりはるかに充実した時間が過ごせた。

 演奏もうまく流れるより、瞬間の風景を感じながら弾ければ充実するかもしれない。音は順番にしか弾けない。
 毎日の時間もただ流れるのを見ているよりは、風景としっかり関わっているほうが充実するはず。気持ちがいくらはやっても、私たちの身体は各駅停車でしか時間を過ごせない。

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by teccyan1 | 2007-10-07 21:44 | ギターを弾いて | Comments(2)

ギターの魅力

中野義久ギターリサイタルを聴いて

 残念であったとしておこう。音楽というものはどうしようもなくなることもあるのだと。ギターソロはもちろん「アランフェスの協奏曲」を生演奏で聴く機会は少ない。聞かせ所もないピアノ伴奏をしてもらえることもありがたい。実現してもらえることに感謝する。

 ただし、今回はその内容には不満は残る。「アランフェスの協奏曲」では演奏家の相性、楽器の能力、技術的不安定など、他にもこちらから見えないいろいろな要素が、うまく音楽につながらなかったように思える。
「演奏は技術80%、音楽性20%。ただし、20%がなかったら残り80%ではなく0になる」と言った人がいた。今回は0とは言わないが、音楽が現れそうで現れず、現れたかと思ったら消える、というところか。
 
 ギターの世界では、ギターらしさは音楽的ごまかし、という劣等意識がまだあると思う。抽象的で純粋な音楽が本物という意識も大切だが、ギターの音が聞こえる時、ヴァイオリンの方がいいのにとかチェロに変えたらと思われては意味がない。
 ギタリストがピアニストの音を作りたがったり、ギター製作家がピアノの音をつくろうとすればギターの存在価値はなくなる。ギターが響く時、ああやっぱりギターだからこそという魅力がどう表現されるか。ギターが他の楽器と演奏する時、いつも考えさせられる。
 ギターは現代の楽器でありながらいにしえの響きを感じさせたり、西洋でありながら東洋であったり、民族的でありながら普遍的であったり、不完全かと思うと十分であったり、単純ではないところが魅力だ。

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by teccyan1 | 2007-09-30 13:04 | ギターを弾いて | Comments(2)

自分のこと、音楽のこと、本のこと。
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